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驚いているウォレスに対し、イズメイ氏は続けていった。
「もちろん、待遇は今のモルタニア号の2倍はだすよ」
ウォレスは突然訪れた幸運に驚きながらも、あの話題の船、タイタニック号の処女航海に乗ることを快諾した。
(大出世だ。マリアが喜んでくれるぞ)
「では、2月の中頃に他の楽団員とともにホワイトスターライン社の本社にお呼びするから、そのときはよろしく頼むよ」
イズメイ氏はそういうと、握手をしてからその場を立ち去った。
ウォレスは浮かれた足取りで、マリアの待つヨークシャーへと向かった。
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