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「それよりもうすぐ部長がくるんじゃないか?」
「俺のツッコミはスルーかよ……まあそうだな。この頃面白い話題がないから綾音が持ってくるといいけどな」
そう呟いて逢紀はまた机にべったりと伏せた。すると廊下からリノリウムを走る高い音が聞こえてきた。
「噂をすればだな」
この教室は四階の隅にあり、接している廊下はあまり人が通らない。
そんな廊下を走る人といえば運動部が雨の日に練習で走るか、部長しかいない。
音はだんだん近づいていき、そして部室のドアが開いたと同時に部長の声が部室に響き渡った。
「ハイハイ注目ー!」
科学部の部長で同級生の水沢綾音(俺は部長と呼んでいる)はなぜかハイテンションで、俺の手元と伏せている逢紀の腕の横にチラシみたいな紙を配った。
紙には「第4回ふれあい科学展覧会」と大きく書かれていた。
「我が科学部はこの科学部門に出展することになりました!」
部長は配った紙と同じ紙を力強く黒板に張った。
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