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「まあ部長も案を出すとして、経費はどうするんだ?」
「経費ね……それは先生に言えば部費から落としてくれるんじゃないかしら?」
顧問の先生か……たまに廊下で見かけるだけで今年に入ってから部活でまともに見てない気がする。あの先生かなり面倒臭がりな性格だからなぁ。
「じゃあ一応俺らが案を出せば実行に移せばできると」
「まあ一応そういうことにはなるわね」
「そうか……」
俺は机に腰かけるとため息をついた。
面白そうで暇を解消してくれる話題ではあるが、なぜかやる気が起きない。目標が漠然としているからだろうか?それとも五月病でただ単に気が乗っていないだけでだろうか?
「ま、とりあえず頑張ってね!」
部長は他人事のような笑顔で俺の肩を軽く叩き、廊下へと足を運ぶ。
「あ、あともう一個あったんだ」
部室を出る寸前でふと思い出したように声を出した。
「どうした?」
「部員を五月末までにあと二人集めないと科学部が廃部になるからそれもよろしくね」
さらりと重要な一言を残して部室から姿を消した。
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