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「適当に、座ってよ」
「うん…」
輝之はイスに腰かけ、愛理はベッドに座った。
(何話したらいいんだろ…)
愛理は俯いている。
「母さんったら、いつもはあんなに料理上手くないのに、今日に限ってどうしちまったんだろ」
「実は、料理のほとんどを私が作ったんだよ」
「えっ!? 母さんじゃなかったの?」
「うん。私だって言って、おいしくなかったら悲しいなって言ったら、お母さんが「大丈夫よ。今回は私が作ったってことにするから」って言ってくれてね。まあ、結果はおいしかったから良かったんだけどね」
「そうだったんだ…」
輝之は驚いた。
母は意外に気がきく人だったということ。
そして…
愛理は興奮していると、いつもにも増してしゃべるということに。
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