4人が本棚に入れています
本棚に追加
昼休み。
俺、綾瀬真(あやせまこと)は机に突っ伏していた。
「はあああああ」
俺は今、猛烈な倦怠感?後悔?嫌悪感?
とにかく得体の知れないものに襲われている。
「どうしたんだよ?溜め息なんてついて。らしくもない」
「うるせえ。久。ちょっと勉強できるからって調子のんな!」
今は頭脳明晰な大親友、竹之内久(たけのうちひさし)の注意すら聞きたくないほど、怠惰な気持ちだ。
もうここから一歩も動きたくないくらい。
「意味分かんないよ真。あっ、まさか、さっきのこと気にしてんの?あれはしょうがないじゃないか」
「うるせえ。メガネ。仕方なくねえよ。俺はあの告白に人生を懸けてたんだぁ」
そう、俺は今日の朝、一目惚れをし、告白していた。
結果は…言わずもがなである。
「だって、相手は学年のマドンナでしょ?仕方ないよ」
「まあそうだけどよ…でも人生初だったのよ。一目惚れなんて」
「確かに会った瞬間告白なんて異常だもんね。その積極性が羨ましいよ」
「励ましてんのか、けなしてんのか…」
「もちろん、後者。」
「ありがと…っておい!お前まで俺のハートに傷付ける気か」
俺の華麗なノリツッコミに久は笑いながら
「冗談!冗談!でもちょっとは元気でた?」
「まあ…変な気持ちだけどな。とりあえず励ましてくれてありがとよ」
「あっ、気にしなくていいよ!そんなつもりないから!」
「ないんかいっ!」
つくづくこいつは分けわからんやつだぜ。全く。
最初のコメントを投稿しよう!