第参章

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レインはキースが教室を出るのと同時に寝た。徹夜の疲れはまだ抜けていない。 その姿を見てリリアーヌとアリアは苦笑いを浮かべていた。 「よく寝るわね」 「ホント、寝不足かな?」 「ひょっとして今日のことで緊張して寝れなかったとか?」 「わぁ~、だとしたら案外子供だね。ティアもそう思わない?」 何気なくティアに話をふったが返事がない。二人がティアを見ると彼女は真剣な顔でレインを見つめていた。 (似ているような…似てないような…はっきりしないわね。やっぱり直接尋ねて…いえ、その程度で答えてくれるなら最初から何らかの反応をしているはず。ということはやっぱり別人?けどそれにしては似ている…) ---ア -----ィア 「ティアってば!!」 「えっ、なに!?」 急に呼ばれてティアは慌てて反応する。 「どうしたの?そんなにレインのこと見て」 「いや、それは…その…」 言葉を濁すティアにアリアはハッとすると嫌らしい笑みを浮かべた。 「ハッハ~ン、さてはティア…」 「な、なによ?」 「一目惚れ?」 「なっ!?」 アリアの一言にティアが驚きの声を漏らす。 「えっ?何々?そういうことなのティア?」 「ちっ、違うわよ!!そんなんじゃないわっ!!」 ティアは顔を真っ赤にして否定するが親友二人のニヤニヤ笑いは止まらない。 「照れなくてもいいんだよ、ティア。応援するから」 「身分差を越えた恋。素敵ね。頑張ってね」 「だから違うってばっ!!」 それから二人がからかいティアが否定するという流れが暫く続いた。貴族、王族であってもそこはやはり年頃の少女ということだろう。 ちなみに三人は一連の会話のせいでレインの学院生活がより波乱に満ちたものになることに気付いていない。
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