第零章

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すると魔水晶が赤く光り出した。それは次第に目を開けていられないほど強くなっていく。 「赤は火属性を意味する」 「では父上は火属性ということですか?」 「私だけじゃない。父上も火属性だ。『フレイミア家』は代々優秀な炎の魔法使いを輩出してきたからな」 そこまで言ってグレイは話が脱線していることに気付いた。 「それじゃあ魔力測定を始めようか。どちらが先にやるんだい?」 「私が先にやります」 そう言って一歩前に出たのはティアだった。 「構いませんか?」 伺うようにトレインに問いかける。 「僕は別に構わないよ」 トレインは微笑みながら答えた。 「それではティアからだな。ティア、こっちにおいで」 グレイはティアを招き寄せる。 「これに両手を当てるんだ。あとは魔水晶が測定してくれる」 ティアは緊張した顔で怖々と手を伸ばす。
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