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「どうしたんだい?力の差が分かって喧嘩売ったことを後悔しているのかな?なに、俺は心が広いからね。今謝れば水に流してあげるさ」
やはりレインは何も返さない。皆が不思議に思った頃ーーー
「ぐぅ…」
そんな一声が聞こえた。疑問に思いよく見てみればレインは寝ていた。瞼も降りている。カイラールの言葉など聞こえていないだろう。クラスの全員がそのことを認識した途端ーーー
「ぶっ…!」
どこかの誰かが吹き出した。カイラールはそれに即座に反応して振り返る。だが全員が真面目な顔をして顔を逸らしていた。
「そっ、その辺にしとけ…ぷっ…カ、カイラール」
半分笑いながら彼を止めたのはキースだった。彼は肩を震わせながら席に戻るように促す。
「今は授業中だ。話したいことがあるなら後にしろ」
だが怒りが収まらないカイラールはそれに従わない。
「うるさい。平民が俺に命令するな」
教師相手に堂々と言い放った。他の貴族達もキースの命令口調には納得いかないようだった。
「なにか勘違いしてるようだが………調子に乗るなよクソガキ共」
直後、教室内を殺気が満たした。言うまでもなくキースが発したものだ。
キースの急な変化、そして突然の殺気に生徒達は固まった。皆が皆キースに呑まれていた。
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