第参章

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「いいか…ここは学校で俺は教師、お前等は生徒だ。将来人の上に立つならもう少し考えて発言しろ」 有無を言わせぬ空気に皆返す言葉がない。だが数秒後、カイラールがまるで呑まれていたのを否定するように半ば叫びながら返した。 「じゃあコイツが授業中に寝ているのはいいんですか!?」 「ほっとけ。やる気の無い奴に構ってやるほどこの学院は優しくない」 「あの…流石に自己紹介の最中に寝てるのはどうかと思うんですけど」 おずおずと発言したのはリリアーヌ。的を得た発言だが 「知るか。困るのはソイツだ」 それだけで切って捨てられた。そしてキースはそのまま自己紹介その他諸々を進めていく。レインのことには一切触れない。 実はキースがレインに触れないのには先の理由以外にも理由がある。 キースはレインの正体を知っている。そして昨夜緊急任務によってレインが殆ど寝てないことも聞いている。だから寝かせてやろうという気遣いだ。 幸いレインは記憶力に優れているためクラスメートの顔と名前位直ぐに覚える、いや、既に覚えているかもしれない。 だから放っておいても問題無いと判断した。
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