第参章

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そして自己紹介は粛々と進み、今ティアの番が終わった。 「最後、レイン=ギュンター」 「はい」 気付けばレインは起きていた。先程まで寝ていたとは事前に知らねば気付かないだろう。 教壇に向かいながらレインは念話の魔法を使う。相手は勿論キース。 (めぼしい人いました?) 聞いたのは魔力測定の結果についてだ。 (王族の二人とフレイミア兄妹がA、他の四大貴族とそれにアバン=シールズ、シャーニッド=コールハースがBランク、後は皆Cランクだ) Aランクが四人にBランクが五人。測定前のレインの予想通りの結果だった。 (属性は?) (王子が闇、姫さんが光、ティアが蒼炎、他の四大貴族は家柄通り、アバンが土でシャーニッドが風だ) (わかりました。ありがとうございます) そこで教壇に着く。やけに注目されている気がする。レインは気が付いて無いが、先程カイラールに喧嘩売ったところを皆見ていたので興味津々なのである。 「え~、レイン=ギュンター、平民です。よろしくお願いします」 なんの捻りもない型通りの挨拶。拍子抜けしたのが空気から伝わってくる。
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