第参章

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レインは属性検査用の魔水晶に魔力を流す。光の色は無色。キースは淡々と結果を告げる。 「レインは無属性だな」 それを聞いた生徒達は笑いだした。 「無属性だってよ!!」「とんだ落ちこぼれね」「よくそれでカイラール殿下に喧嘩売れたわね!」 皆が嘲笑う中、ティアは真剣な顔でレインを見ていた。そしてもう一人、とある人物も。 その視線に気付いたレインは内心焦りながら魔力量を測ろうとする。それをキースが止めた。 「レイン、お前は魔力量を測らなくていい」 「なんでですか?」 「無属性には魔物相手に通用する魔法は殆ど無いからな。魔力量だけでギルドランクを決定するのは危険だ。お前はとりあえず魔物の討伐が含まれないEランクになる。後日ギルドに行って正確な実力を測ってもらってくれ」 「わかりました」 キースの説明を聞いてレインは自分の席に戻った。 「これで全員自己紹介と測定が終わった訳だが、何か質問あるか?」 一人の女子生徒が挙手する。 「ギルドカードはいつ貰えますか?」 それを聞いてキースは何かを思い出したような顔をする。 「そうだ、言い忘れてたな。お前等がギルドに正式に所属することになるのは後期に入ってからだ。それまではギルドで依頼を受けることは出来ない。よってギルドカードの配布も後期に入ってからだ」 それを聞いて女子生徒は理解したことを示すように頷く。表情に若干不満の色が混ざっていたが。
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