55人が本棚に入れています
本棚に追加
続いて男子生徒が手を上げる。
「なんであんな落ちこぼれがSクラスなんですか?」
彼はレインを指差し、嘲笑を浮かべながら発言した。他の生徒が同意するように続ける。
「あんなやつより俺の友人の方がよっぽど優れてますよ」
殆どの生徒はレインがSクラスにいることが納得いかなかった。無属性、しかも感じる限りでは魔力量もたいして多くない。そんな落ちこぼれと、貴族であり、優秀な自分達が同じクラスなど納得いかない。そのようなことを皆考えているのだろう。
それに対するキースの答えはシンプルで解りやすいものだった。
「知らん」
だからといって受け入れられる答えでもなかったが。
「知らんって何ですかっ!?それでいいんですか?」
「クラスを決めたのは学院長だ。どうしても知りたいなら学院長に直接聞け」
この話はこれで終わりとキースは話題を変える。
「じゃあ一旦休憩だ。十分後には席に着いてろよ」
それだけ言って教室から出て行ってしまった。教室には不満げな空気だげか残された。
最初のコメントを投稿しよう!