第参章

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ティアの必死の説得により二人の誤解が解けたのはキースが戻ってくる直前のことだった。 「お前ら席着け~」 その声でレインは目を覚ます。教卓に目を向けるとキースは両手で抱えるように箱を持ってきていた。 「まずは生徒手帳配るぞ」 最前列にいる生徒に生徒手帳を人数分渡す。ちなみに座席配置は縦5列横8列だ。全員に行き渡ったのを確認して説明を開始する。 「まず一番最初のページ開け~」 言われた通りに一枚捲る。そこは白紙のページだった。 「そのページに魔力を流せ。そうすれば魔力の波長を識別してくれる」 詳しく説明されたが皆今までに何度か経験済みだ。 だがレインにとっては初めての事だ。少し緊張しながら魔力を流す。すると白紙だったページに自分の名前とクラス、出席番号が浮かび上がった。 「それは身分証であると同時に寮の部屋の鍵でもあるからな。再発行には一週間程かかる。絶対なくすなよ」 頷きを確認してキースは次の話に入る。 「これからこの学院について色々説明する。それなりに長い話になるから退屈だろうが聞き逃しても再説明はしないからな。一度で聞き取るように」 それだけ言って説明に入る。
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