第参章

26/36
前へ
/76ページ
次へ
「まずは授業についてだな。 一年が学ぶのは魔法基礎学、魔法陣学、魔薬学、魔生態学、戦闘術、軍事教練、一般教養だ。後は後期に入ると適性を見て癒学、指揮についても学ぶ事になる。 ここまでで何か質問は?」 生徒達に反応がないのを見て話を続ける。 「じゃあ次は校則についてだ。中でも違反者が多いものを挙げておく。 一つ、正当な理由がない限り、校内で攻勢魔法の使用禁止 一つ、校内での身分差別禁止 こんなとこだな。 特に身分差別は結構多いからな。上の者が見下すのも駄目だが下の者が仰ぎすぎるのも駄目だ」 最後の言葉に特に位が低い者達の表情が歪む。幼い頃から教育されてきた貴族としては身分が上の者を特別扱いしないというのは難しいのだろう。 しかしキースはそれに構わず話を進める。 「最後はパートナー制度についてだ。これは初等部、中等部にはなかったものだからな、しっかり聞けよ」 今まで流しながら話を聞いていた者達も改めてキースに向き直った。 「この学院では授業中は基本的に二人一組で行動してもらう」 「何故ですか?」 「理由はお前等の進路に大きく関わっている。学院の卒業者の進路の九割以上は正規軍入隊だ。そして正規軍での最少行動単位が二人一組だ。つまり軍でやることの予習だな」 皆納得するように頷いた。 「成績も二人一組で評価される。尚更チームワークが大事になるからな。また親睦を深めやすいようにパートナー同士寮では相部屋になる。 パートナーについてはこんなところだな。 それでは各人のパートナーを発表する」 その一言でクラスに緊張感が満ちた。無理もない。パートナーによって自分の成績が大きく左右されることにもなりかねないのだから。
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加