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「蒼炎属性というのは、だ。まぁ簡単に言うと火属性がより強力になったものだ。使える者も少ない珍しい属性だな」
「それが私の属性ですか?」
「そうだ。これは凄いことだぞ。蒼炎属性の使い手は皆歴史に名を刻むほどの偉人になった。それほどの力ということだ」
「凄いじゃないかティア。おめでとう」
トレインは満面の笑みでティアの頭を撫でた。ティアも照れたように、だが確かに嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。
「それじゃあ次はトレインの番だな」
「はい、父上」
笑顔から一変、硬い顔をしながらトレインは魔水晶に近付く。
「頑張ってください。お兄様」
「ありがとう、ティア」
返事の声もやはり硬い。
「そう硬くなるな。大丈夫。お前は私の息子だ」
グレイは優しい表情をトレインに向ける。
「ありがとうございます。父上」
それを見たトレインも少し硬さがとれたようだった。
魔水晶に近付き、ゆっくりと手を伸ばす。
そしてそっと魔水晶に触れた。
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