第零章

7/12

55人が本棚に入れています
本棚に追加
/76ページ
「蒼炎属性というのは、だ。まぁ簡単に言うと火属性がより強力になったものだ。使える者も少ない珍しい属性だな」 「それが私の属性ですか?」 「そうだ。これは凄いことだぞ。蒼炎属性の使い手は皆歴史に名を刻むほどの偉人になった。それほどの力ということだ」 「凄いじゃないかティア。おめでとう」 トレインは満面の笑みでティアの頭を撫でた。ティアも照れたように、だが確かに嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。 「それじゃあ次はトレインの番だな」 「はい、父上」 笑顔から一変、硬い顔をしながらトレインは魔水晶に近付く。 「頑張ってください。お兄様」 「ありがとう、ティア」 返事の声もやはり硬い。 「そう硬くなるな。大丈夫。お前は私の息子だ」 グレイは優しい表情をトレインに向ける。 「ありがとうございます。父上」 それを見たトレインも少し硬さがとれたようだった。 魔水晶に近付き、ゆっくりと手を伸ばす。 そしてそっと魔水晶に触れた。
/76ページ

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加