55人が本棚に入れています
本棚に追加
「分かっているな?」
「はい、分かっています」
「本気ですか!?無属性とはいえ私達の子供なんですよ!?」
「ミラ、私達は火を司る四大貴族『フレイミア家』だ。あんな落ちこぼれを子供と認める訳にはいかん」
「でも!!」
「これは『フレイミア家』当主たる私の決定だ。君がどうこう言えることじゃない」
凍てついた視線をミラに向け、冷たくグレイは言い放った。
それを聞いたミラは夫の本気を悟った。どんなに言葉を重ねようと説得は不可能だと理解した。グレイはミラの方を見ず、ダイトと話し合っていた。
「秘密裏にやります。他家には魔力の乱れにより意識不明と伝えます」
「それでいい。それとティアにも伝えるなよ」
「わかっています」
二人の声色から覆すことは不可能だと悟ったミラは、涙をこらえ部屋を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!