闘志ぶつかって

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「行っけぇ!」  迫りくるライガード目がけて両手の指から一つずつ光の矢を放ち、次の矢が補充されると直ぐ様それも放つ。  閃光の音色の最大の特徴は、なによりもその、放てる矢の多さである。  一度に十発を発射。それを音色一回の持続時間の間に三、四回はできるのだ。  その分一発の威力が低いのは確かだが、それでも相手の足止めに使うには十分に有効である。  大量の矢がライガードナイトに襲い掛かる。  こうなれば敵は威力がある分隙の大きい全力の斬撃は放てないはずだ。  そう思われたが、しかし相手の騎士はそれに対して全く怯まず。 『対策も無しに同じ手に出るわけがねぇだろ! なぁ!』  身体を捻り、その身を回転させだした。  その余りの速さに、ライガードナイトの周りに竜巻が起こり、光の矢を明後日の方向に飛ばしてしまった。  飛ばされた矢は空中で粒子となって消える。 「な……っ!」  ルナッセが驚きの声を出した瞬間に。 『くらいな……俺の技ァ!』 『ライガーバーン!!』  肉体から、白虎を模した白いエネルギーが打ち出され、ムアルに食らい付いた。
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