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「うああああっ!」
鎧越しでもわかるほどの高熱に身を焼かれる。
半透明の白虎が消えると、ムアルは力無く両膝を地に付けた。
俯く戦士の身体からは、所々から煙が上がっている。
『これで終わりじゃあねぇだろ? さぁ、立ちなよ』
ライガードナイトが挑発をする。
「はぁ……はぁ……っ」
それを受けてムアルはゆっくりと立ち上がった。
月夜のフルートを召喚し、構える。
演奏されたのは、双剣の音色。それから雷の音色と満月の音色。
現れた二つの剣、ムアルツインエッジを持ち、構えると、ムアルの全身を青い雷が包んだ。
ライガードナイトも構える。
数秒間、ムアルの纏う雷の音だけが響く状況が続き、同じ瞬間に、彼らは走りだした。
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