庭球<青学>編

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海堂薫<ほのぼの> [午後の居眠り] 昼飯が終わり、午後の授業が始まって間もなく。 アイツが舟を漕ぎ出したのを見て、俺はため息をついた。 腹いっぱいになると眠くなるくせに、「もたないから」と言って弁当の量を減らさねぇ。 確かにマネージャー業は忙しいだろうが、勉強も大切だろうに。 そんなことを思っていたら、アイツはとうとう机に突っ伏した。 起こそうと手を伸ばした……が、すぐに引っ込めた。 それは、アイツの幸せそうな寝顔のせいだ。 見てるこっちまで幸せになるみたいで、起こすのがもったいなく感じてしまう。 だからついついアイツを甘やかしちまう。 そんな自分の方が悪いのは知っているから、アイツが自分から起き出すまで寝かせておいた。
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