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亜久津仁<甘>
[雷の夜]
そろそろ寝ようという頃合いで雨が降ってきやがった。
しかも雷まで鳴りだして、近くに落ちた。
途端、背後から小さな悲鳴が聞こえた。
振り向くと、耳を押さえて縮こまってるアイツが目に入った。
俺は舌打ちすると、アイツを抱き上げてベッドに放り込んだ。
目を瞬かせるアイツに毛布をかぶせ、その上から抱き締めた。
アイツは一瞬身体を強ばらせたが、すぐに力を抜き俺に身を預けた。
しばらくして聞こえてきた寝息に、俺は鼻を鳴らした。
ったく、これくらいで一々面倒くせぇ。
けど……こんなんに惚れちまったんだから、ホントどうしょうもねぇ。
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