婆娑羅編

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徳川家康<甘?> [絶ちたくない絆] 朝早く。もう起きてる時間だからとアイツの部屋に向かった。 一言声をかけて襖を開けると、アイツは机に俯せていた。 近寄って横から覗くと、アイツは小さな寝息をたてて眠っていた。 そして穏やかな寝顔の下には、書きかけの書状が。 最近仕事が立て込んでいたから、寝不足なんだろう。 しかもワシに負担をかけまいと、必要以上に仕事を引き受けていたからな。 だがそれで寝不足になって、もし身体を壊されたら……。 そう思うだけで、ワシの方が倒れてしまいそうだ。 ワシは横に抱きかかえると、布団に横たえさせた。 掛け布団をかけると、その横に寝転がり、頭を撫でた。 この絆だけは、絶対に切りたくない……そう思った。
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