混迷

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アート・コーナーか あの女と出会ったのもこんな場所だった。もちろん今の彼女とは違う女だ。 一応、優秀とされる国立大に合格して田舎から出て一人暮らしを始めた頃だった。見るものが何もかも新鮮な気がしてファッション・モールや、このような大規模書店のわかりもしないのにアート関連の辺りをうろついていた時に声を掛けて来たのだった。 現在はモラル意識が高いように振る舞える自分を作ったのはあの女だった。 めくるめく情景が頭を駆け巡り、またもやそちらの方面へと体の記憶から支配された。
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