日記

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滉と樹が会長宅から帰った後も篤史はそのまま操の部屋に留まっていた。 床に落ちた写真立てを拾う、昔の自分と…愛する操が写っていた。 見慣れた場所に写真立てを戻し、同じ机に立て掛けてある日記帳の背表紙を撫でた。 何冊もの日記帳 同じ背表紙 内容は何度も読ませてもらっていた。 操が書いた綺麗な字が姉妹の仲の良さを十分と綴られていて、操がどれだけ妹を大事にしていたかが伝わった。 その数冊の日記帳の中に1つだけ種類の違う日記帳が含まれている。 それが…操の死ぬ間際まで綴られていた日記帳だということもわかっていた。 内容も知っている… 死ぬ間際、操は日記帳に綴ってある内容と同じようなことを私に伝えた。 彼女が悪いわけではない…操の死は樹のせいではないとわかっていながらも…私は彼女のせいだと心の何処かで責めていた。 現実から目を背け、真実を彼女に語ろうともせず…。 私は亡くなった女を今もまだ未練がましく愛している…。 1つだけ種類の違う日記帳、他のより薄い冊子の最後のページを開いた。 そこには操の妹に対する謝りの言葉が記されている 「伝えるべきだとわかってるんだ…でも…どう伝えれば…」 私は迷っていた。 全てを彼女に伝えれば、彼女の哀しみは幾分和らぐだろう…。 そして私に対する気持ちの矛先も、きっと目覚めてくれるかもしれない…。 でもそうすれば…私が今まで抱いて来た彼女への間違った憎しみまでさらけ出されてしまう。 表紙裏に挟まれていた1枚の写真 それは仲の良い姉妹の2ショット写真だった。 その中で笑う操に心の中で語り掛けても…ただ彼女は笑っていた。 .
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