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中へ入ると
「座って待っててくれ」
ソファーを指され、言われた通りにした。
目の前にそっとコーヒーを置くと、篤史さんは私の正面に座った。
「もう1人来るから、そしたら話す」
(もう1人?)
「はい…」
篤史の口から何を言われるのか…見当も付かず不安が押し寄せてきた。
微妙な空気、真っ直ぐ見つめることも出来ず俯き視線を逸らした。
それでもわかる篤史の視線。
じっと私を刺すような視線を暫く感じた。
(どうして見てるの?そんな風に見ないで…)
刺さる視線は無言で私を責めているようで居たたまれなかった。
胸が苦しい、見つめられれば見つめられるほど…胸が苦しく締め付けられる。
目の前の人が自分のことを好きになってはくれないとわかってしまっても、その視線に身体が熱くなってしまう自分がいた。
二人の沈黙を破るように軽やかなノック音がしたかと思うとすぐドアが開いた。
「やぁ♪待たせてごめんね♪」
二人の空気とは全く違う機嫌の良いサクヤが入って来た。
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