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後日、AKSの三人に新曲をプロデュースしてもらえることを告げた。
「嘘ー!!すごいー!!」
慎二は分かりやすいほど喜び手を叩く。
「嬉しい話だな♪」
馨もいつもより表情柔らかく微笑み嬉しさを表した。
1人滉だけは無言で樹をじっと見つめた。
視線を感じる…
突き刺さる視線から逃れるため私は淡々と報告を済ませ、顔を背ける。
心がざわついた
(見てはいけない…)
頭の中の私の何かがそう叫ぶ。
滉の想いが侵入してきそうで、身体の中心が震えるような感覚が走る。
(入って来ないで!!)
私は心の中で必死に叫んでいた。
数日後、三人を局に送り、撮影風景を眺めていたら携帯が震えた。
廊下に出て取ると相手はサクヤさんだった。
『曲が粗方出来たよ♪今日の夜辺り聴いて貰えるかな?』
「はい…大丈夫です」
『そっ♪ならさ、会社のカフェテリアに来れるかな?10時くらいなんてどう?』
「はい…OKです」
『じゃあ待ってるよ♪』
意外なほどサクヤは呆気なく切った。
からかわれなかったことにホッとし、安堵の息を洩らした。
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