1390人が本棚に入れています
本棚に追加
納得いかない思いを抱いたまま会場に戻った。
遠くのカウンター席にまた目を向けると、篤史さんの隣に見たことのある男性が座っていた。
(あれは…)
そう思ってジッと見ていたら、私の視線に気付いたかのように彼が振り返った。
サングラスを掛け長髪を纏め結い、スリムのデニムを履いた男性は、胸元がちらつくほどシャツを開けて着、幾重ものシルバーアクセが覗き見えた。
彼は立ち上がり私に向かって歩み寄る。
(サクヤ…さんだったわよね…)
男性の正体が理解出来た時には彼は目の前に居た。
「君があの子たちの新しいマネージャー?」
小首を傾げ私の目線に合わせ落とし見つめる。
「そうですけど…」
サングラス越しにジッと流し見られた。
値踏みされたようで不快に感じる。
私はムッとした顔で彼を見返した。
「へぇ~♪結構綺麗な顔してるね♪」
「え…」
一瞬耳を疑った。
「結構好みかな♪彼氏いるの?」
「いませんけど…」
「じゃあオレと付き合う?」
反対の方向に首を傾げ可笑しそうに彼が微笑んだ。
.
最初のコメントを投稿しよう!