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「はぁ!?」
バカにされたようで腹が立った。
「この事務所で一番売れてる歌手だよ?オレと付き合って留めておきたいと思わない?会長の娘ならさ♪」
そう言って彼は私の反応を楽しむように顔をズィッと近付け、瞳の奥を覗かれた。
「言ってる意味がわからないわ…」
「そう?まぁわからなくてもいいから付き合ってみない?」
口元が微かに歪み、彼は笑う。
「そういう冗談は嫌いです」
「冗談だと思うんだ?」
「笑えない冗談ね…」
睨み上げ切り返した。
「ククッ♪気がキツイんだね♪そういうとこも結構好みかな♪」
サクヤは自分の唇を指で撫で、事楽しそうにそう言った。
からかわれた悔しさに私の顔が歪む。
「これ以上用がないのなら失礼します」
私は冷静さを装い淡々と言い捨て、彼の前から逃げるように去った。
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