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アメリカ、晴天の朝。
広い寝室で微睡みから目覚めた。
温かい肌の心地にすぐ傍の人物に目を向けた。
目の前には白く逞しい胸板、筋張った腕が自分を包むように回され、愛しいぬいぐるみを抱くようにまだそこにあった。
(また泊まっちゃった…)
何度も犯してしまう同じ過ち。
私はゴソゴソと彼の腕から這い出てベッドを降りた。
静かな屋敷内
長い廊下を進みバスルームに入った。
熱めのシャワーを出し体に浴びる。
昨夜の情事を洗い流すように何度も胸を撫で流した。
昨日のお酒が徐々に抜けて行くのを感じた。
彼と飲んだシャンパンが熱い湯に流れ切る頃、小さな“カシャッ”という音のすぐ後に、背中に湯とは違う温かさで包まれた。
「起きたら居ないから…寂しかったよ…」
先ほどまで私を包み抱いていた彼だった。
「ベッド以外でベタベタしないで…」
私は冷たく言い放ち彼の腕を振りほどくように外すと向き合って胸を押した。
「相変わらずベッドの中以外は冷たいんだね?」
自嘲気味に小さく笑うと、私の顔を覗き込むように見つめて来た。
グリーンの瞳が微かに揺れ私を見射る。
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