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10年前、樹と滉がまだ15歳
今の会長宅にて会社の新年会と称したパーティーが開かれていた。
大ホールにての立食パーティー。
沢山のタレントや俳優人に囲まれパーティーは賑やかさを増していた。
滉の父が俳優で、当時まだ社長だった樹の父とは友人関係だった。
そんな社長に会いに行くのを付き合わされた滉。
芸能界には少なからず興味はあったし、父もやらせたかったようだったから滉は素直に従った。
が…愛想笑いの皆を見て疲れが出てきた。
父に挨拶しに来る全ての者が“高良さんのお顔があれば息子さんも人気芸能人の仲間入りですな♪”そういう目で俺を見る。
興味はあったが…父の七光りで有名になんかなりたくなかった。
1人の男として…自力で有名になりたかったのに…。
やはり周りの目は俺をそんな風にしか見てないんだと気付かされた。
小さな頃から…学校や友達まで高良の名前を気にしていた。
そんなうわべだけの付き合いがうざかった俺は…早く自立したくてこの歳で独り暮らしを始めていた。
といっても…父の力を使わずしては出来なかったが…。
矛盾したプライド
意気がった性格
結局この日も…俺は父の顔で芸能界入りを迎えようとしていた。
自ら望んだのに…俺の気分は最悪に落ち込んだ。
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