日記

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一時、滉の部屋で姫と戯れ心が和む。 柔らかい毛並みを撫で私は考えた。 (この子をきっかけに…滉くんは私を好きになったと言ってくれた…。 別に…大したことはしてないのに…私のどこがいいのか…) 彼が好きになってくれた理由がわからなかった。 (好きになった理由…。私が…篤史さんを好きになった理由はなんだろう…。 格好いい見た目?それとも…姉さんに対する優しいとこを見たから? うぅん…初めて会ったあの日、挨拶をした後向けられた微笑みが綺麗だったから…。 そして…その微笑みは姉さんに向けられたものだったから…) 醜い嫉妬 姉さんの物を欲しがる醜悪な私。 私の中の汚い悪魔は…あの日目覚めた。 どうしても篤史さんが欲しかったのだ 姫を撫でながら姉さんの部屋で向けられたあの視線を思い出す。 冷たく責める視線。 気持ちが再び沈み、撫でる手が止まった。 「そろそろ帰るわ…」 「えっ?もっと居ろよ!」 「随分時間も遅いし…そんな訳には…」 1人になりたくなり、そんな遅くもないくせに理由を付けた。 『ミャウ~』 寂しそうに鳴く姫をソファーに下ろし、私は立ち上がり玄関に向かおうと踵を返したら...背後から優しく滉に抱き締められた。 .
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