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暗い闇の奥からゆっくりと現われたのは、長い髪の毛の女の子だった。
ゆらゆらと頭が揺れるたびに音が鳴る。
闇から完全に抜け、女の子の青白い顔が露アラワになった
赤い、小さな唇の端からは血泡が生々しく滴れていた
そして、ゆっくりと見開かれた丸く黒い目が二人を捉えた―…
カン、カン……
「………ア―、ソ…ボ…」
機械音にも似た低い声が二人に問い掛けた。
「…や、やだぁあぁぁあ…!!」
「っ…うぅッ―……」
夏樹に引っ張られ、香織も後退する。
それに気付いた少女はビクリと身体を震わせ、口を大きく開いた―…
「アソボ!!!!
アソボ!!!アソボ!!
アソボアソボアソボアソボ
アソボアソボアソボアソボ
アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア―!!!!」
「きゃああああぁぁああ――!!」
「いゃああああぁあっ!!!」
「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアア"…」
狂いだしたように叫ぶ少女から二人は逃げる。
蛍光灯が切れそうに点滅している。捕まったら、殺される殺される殺される殺される
―…‥英里みたいに殺される
…―カン、カン…
「 ニ ガ サ ナ イ 」
クスクスクスクスクスクス
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