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嫌だった。あそこは。
死ぬ程嫌いで、
だから逃げ出したかった。ううん、逃げ出したんだ。
そして、今、京の都--
ガヤガヤと、町行く人達で賑わっていた。
その中に、するすると人の間に入り抜けていく小柄な、少女。
彼女の目指す先は、川。一休みしようとしていた。
川に着くと、橋の下に潜り込む。
あまり人もこないし、涼しいからだ。
彼女は、今まで深くかぶっていた物をはずし、それで、扇ぐ。
彼女は天月 雪乃(アマツキ ユキノ)
整った顔立ちで小柄な、少女。
だが、旅をしているのと、襲われやすいので、女の格好は、していない。薄い藍色の浴衣に灰色の袴を着ている。
刀も一本帯刀していた。
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