出会い

2/38
前へ
/75ページ
次へ
嫌だった。あそこは。 死ぬ程嫌いで、 だから逃げ出したかった。ううん、逃げ出したんだ。 そして、今、京の都-- ガヤガヤと、町行く人達で賑わっていた。 その中に、するすると人の間に入り抜けていく小柄な、少女。 彼女の目指す先は、川。一休みしようとしていた。 川に着くと、橋の下に潜り込む。 あまり人もこないし、涼しいからだ。 彼女は、今まで深くかぶっていた物をはずし、それで、扇ぐ。 彼女は天月 雪乃(アマツキ ユキノ) 整った顔立ちで小柄な、少女。 だが、旅をしているのと、襲われやすいので、女の格好は、していない。薄い藍色の浴衣に灰色の袴を着ている。 刀も一本帯刀していた。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

63人が本棚に入れています
本棚に追加