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犯罪者達は全員喋り終わりました。
警官は、サラリーマンの男に聞きました。
「お兄さん。どう思う?」
「どうもありませんよ。みんな立派な罪です。しかも、誰も自分が悪いと自覚していない。タチの悪い極悪人ですよ」
「ですよね。いやいや、お手を煩わせてすまんね」
「いえいえ。じゃあ僕は行きますよ」
サラリーマンの男は交番に背を向けて、歩き出しました。
ジュースを飲もうとすると、中身は空だったので、そのまま道に投げ捨てました。
「おい、まてそこの男!」
盗みを働いた男が、サラリーマンの男を止めました。
「なんですか?」
「なんですか?じゃねぇ。今、缶捨てただろ?」
「ああ、空だったもんで」
サラリーマンの男の言葉に、詐欺の男が言いました。
「聞きました?「空だったもんで」ですよ。ああいう無神経な輩が、世界を汚していくんですよ。まったく、親はどういう教育をなさられたのか・・・……」
殺人の男は、詐欺の男に同意しました。
「まったく、その通りです。たぶんあの男は、周りの迷惑を考えたこと、ないんでしょうね」
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