バクの夢喰い相談所①

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古ぼけた事務室が、その町にはありました。 ガラス窓の扉には、こんな張り紙があります。 「バクの夢喰い相談所 未来、現在、過去、どんな種類の夢でも食べます。 お気軽にご相談下さい」 その張り紙を見て、1人の男が扉を開けました。その男は、とても偉そうで、ヒゲの初老の人でした。 「いらっしゃいませ。バクの夢喰い相談所にようこそ。私が店長のバクです」 ハゲかかった頭に、小さな背丈。初老の少し顔がバク似の人が、バクでした。 「どうぞ、お座り下さい。今お茶を出します」 偉そうな男は、古ぼけたソファに座りました。 それは古ぼけた事務室にぴったりでした。 バクがお茶を出します。偉そうな男はお茶に手もつけずに言いました。 「夢を食べてくれるんだってな」 「はいはい、どんな夢でも食べますよ。食べるのはあなたの夢ですか?」 「いや、違う。息子の夢だ」 バクは、偉そうな男につれられて、高級車に乗ってやってきました。 そこは偉そうな男の家でした。とてつもなく豪華な屋敷が建ってました。 とてつもなく大きな門の前で、車は止まります。 「降りますか?」 バクは聞きました。偉そうな男は首を振って、 「玄関まで車で移動する。歩くと30分もかかるんでね」 と言いました。門が開いて、車は発進しました。
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