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埃を被った本棚を見上げながら、総矢は目的の本を探す。
と、単行本サイズの小説コーナーの本棚の前を差し掛かった時だ。
「お……!あった!」
目的の本を見つけ、総矢は足を止める。
それは本棚の最上段に立てられていたが、手を伸ばせば何とか届きそうな高さだった。
ぐっと手を伸ばして本を掴み、そのまま引き抜く。
だが、力任せに引っ張ったことが悪かったらしい。
同じ段にあった数冊の本が頭上へと雪崩のように落ちてきた。
「うお!?」
思わずしゃがみこみ、先程引き抜いた本で頭を守る。
ドサドサと落ちてきた本が床に散らばり、埃が一気に舞う。
本が落ちてこなくなったのを見計らい、総矢は頭を守るのをやめた。
が、その判断が間違っていたらしい。
ゴッッッ!!
「んがっ!?」
頭を守るのをやめたのと同時に、1冊の本(のカド)が彼の脳天へ見事に直撃した。
「いっ…つ……っ!」
頭を押さえ、自身の不運さに大きなため息をつく。
「あーあ………。」
散らばる本を見て再びため息をつくと、それらを本棚に戻そうと拾い集めていった。
と、そこで1冊の本が目に入る。
先程、総矢の頭に直撃した本だ。
その本は周りに散らばる他の本に比べ、妙に小綺麗だった。
(妙に小綺麗な本だな……古本って感じじゃねーし……。)
本を手に取り、題名を確認しようと背表紙を見る。が
(あれ……?ない……)
背表紙には題名が書かれておらず、おかしいなと思いつつも今度は表紙の方を見た。
こちらにも題名はない。
(じゃあ……中はどうなってんだ?)
本のページをパラパラとめくっていくが、ページは全て白紙だった。
(???……何だこの本……いや、メモ帳か?)
訳がわからず首を捻っていた総矢は白紙の本の裏表紙を見た。
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