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「もうさ、なんなの?早く話せって、ほら、話してくれ。ぺらっと」
中丸は、付き合ってやったんだからさっさと言いなさい。とでも言うように、面倒くさそうに箸を指でプラプラとさせてテーブルに肘をついて、その手に顎を乗せている。
「なんか…やだー…今日のお前なんか雑ぅー」
「あ?」
中丸がどすの効かせた声で凄む。
赤西は箸をくわえながらほらーと、ちょっと上半身を後ろに引いた。
「こっちはな、毎日打ち合わせとリハでそりゃもー大変なんだよ!誰かさんが居ないおかげでな!」
「打ち合わせもリハも…俺のせいじゃなくないですか?」
「知ってる!」
八つ当たりしてみただけ!と中丸はいつになく強気だ。
(あ、溜め息)
赤西は、そんなあからさまな態度を見せる中丸に、胸が少し傷ついて、叱られた子供のように小さくなる。
自分のせいで…は大袈裟だが多分間違ってもいないだろうとも思う。
少なからず今回のことで迷惑をかけていることは確かだった。
「かめ、頑張ってるよ」
「…知ってる」
「スポーツ番組のほうも」
「…うん」
亀梨に限らず、中丸も聖も、上田も、(田口は知らないが)みんなそれぞれに頑張ってる。
知ってる。わかってるんだ。
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