A HEART STAIN

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「じゃーなんだよ?」 何が気に入らないんだ、お前は。と言って、中丸は残りのビールを喉に流す。 赤西はそんな中丸をチラリと見て、またしゅん、と一回り小さくなってからぼそりと胸の内を零した。 「なんも言わねーの、あいつ」 「…何もって?」 「大変だとか、辛いとか、楽しいとか…」 赤西は、海外からライブのオファーが来た事は誰よりも早く亀梨に報告していた。 亀梨は、この先の事情はどうであれ、純粋にその奇跡みたいなニュースを誰よりも喜んでくれた。 背中を押してくれていた。 頑張ってこいと。 しかし亀梨はその後ぱったりとその事については一切話をしなくなった。 敢えて触れないようにしている空気みたいなものがあって、赤西も軽く話せる雰囲気に持ち込めないでいた。 本格的に別々のスケジュールになるとコミュニケーションを取れるようなの時間は極端に減り、 あっとゆう間にすれ違いの生活になってしまっていた。 家を出るタイミングやベットに入るタイミングがまるで違ってしまって、特に最近は赤西の方が帰宅が早く、朝も早いので、ここ最近は亀梨の顔はベットの中でしか見れていない。 寝顔は寝顔で癒されるのだが、やはり笑った顔が見たくなる。 いつのまにか隣で寝ている亀梨は、きっと自分を起こさないようにベットに入ってきているのだろう。 それを思えば、起こしてしまいそうなほど欲望と戦ったのは最初の数日で、ぐったりと疲果てた顔して死んだように眠る亀梨のわずかな安息の時を己の勝手で奪うような気には到底なれなくなった。 (今ではベットを揺らさないよう抜け出ることに朝一番の全力を注いでいる) .
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