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―――…
――…
―‥
-
段々口づけは深くなる。
息が……苦しい。
息苦しさに閉じていた唇を薄く開ける。
その隙を逃さず、ベルナップの舌が口内に侵入する。
逃げ惑う俺の舌を……
‥…って恥ずかしくて詳しく云えない///
恥ずかしさでいっぱいいっぱいの俺は、ベルナップに委ねていた。
蕩けそうな口づけ。
全身に力が入らず、うまく立てない。
そんな俺に気付き、腕で腰をがっちりと支える。
恥ずかしい体制だ。
誰かに見られでもしたら///
虚ろな瞳で辺りを見渡す。
「ふっ‥せんぱ‥ッあ‥だめぇ‥っ」
変な声が出た。
耳を疑うような女みたいな甲高い声。
聞いていてまた恥ずかしくなってきた。
今日はコイツに……振り回されてばかりだ。
「クスッ‥なに、聞こえなーい♪」
コイツ‥っ 分かってるくせにッ
俺はキッとベルナップを睨み付ける。
「‥…そんな顔されても、欲情するだけだよ?」
なっ!!
ベルナップの発言にわなわなと身体は震え、言葉にならぬ声を出す。
「ほら、証拠にココ。‥…触ってみる?」
そう云って、指を下に向ける。
……。
俺は驚きのあまり、言葉を失う。
まぁ、ようするにアレだ。
男の……そこが///
「へっ‥変態!!」
その言葉が気に入らなかったのか、止まっていた行為が再び開始する。
しまった‥!!
気付いた時には既に遅し。
「だか‥あっ‥だから、キス…するの…やめ‥っ」
必死に訴える。
「それがやめてほしい時の態度?気持ち良さそうな表情……してるくせにッ」
鼻で笑われる。
「‥淫乱。」
耳元で囁かれる。
吐息だけでもおかしくなりそうだった。
ましてやそれ以上など…っ
“キスするのをやめてください”
それだけなのに。
その一言を云いたいのに、ベルナップのキスは……俺を蕩けるような快感に誘い、云わせない。
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