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「やめて‥っやめてよぅ。」
こんな俺、情けない。
男同士なのに。
見た目であったら、俺の方が力だって強いはずなのに‥っ
なんで…なんでだッ
今にも泣きそうな俺の声を聞き、ようやく唇が離れた。
息が苦しいので、必死に酸素を取り込む。
「‥…ゴメン。やりすぎたι」
顔を上げると、ベルナップが申し訳なさそうに謝罪の言葉を口にする。
真剣な表情で、俺を真っ直ぐと見つめる。
いきなりキスされて。
先程酷い言葉を耳元で囁かれたのに。
何故か。 何故か。
この時俺は、ベルナップを見て胸が高鳴った。
……。
男同士なのに。
何でときめく―?
俺は恥ずかしさのあまり、目を逸らし俯いた。
「ふふ‥っ」
頭上から轟く無邪気な声。
ベルナップ……
その時、ふわりと頭の上にベルナップの手が置かれた。
……え。
突然の事に目をパチクリさせる。
「可愛いねぇ。食べ‥いや///」
そう云いながら、頭をナデナデされた。
頭を撫でられたのは…子供の頃兄さんに撫でられてからない。
久しぶりの感触。
懐かしさに、強張っていた身体から解放された―――。
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