43人が本棚に入れています
本棚に追加
「お前等に云われた通り、荷物持ってきましたよ。」
眉間に皺を刻みながら、彼は乱暴に段ボールをテーブルの上に置いた。
その表情を見るだけで、誰もが彼が不機嫌である事を理解する。
「ちょっと~っ そんな風に置いたら、中の荷物が壊れちゃうよ!!」
段ボールの中に入っている物は、割れ物なのだろうか…?
ソファーに優雅に座っていた男が、飲んでいたティーカップを置き声をあげる。
「ベルナップ…さん。」
呼び捨てで呼びそうになり、慌てて取り繕う。
ただでさえパシリに使われイラついているというのに…いつもいつもコイツはッ
そんな気持ちが表情に出ないよう、至って平静を装いベルナップの方に顔を向ける。
「いつも云ってるよねぇ、ナイマン。」
少し声のトーンを下げながら云う。
ピンクに染めた長い髪を触りながら、左手でクイッと眼鏡を押し上げる。
その動作が様になっていて、ナイマンは心の中で悪態を吐く。
美形は……ウザイ。
男女共にモテるからだ。
「すいませんでした、ベルナップ先輩。以後気をつけます。」
機嫌を損ねたら何をされるかわからないので、一応謝罪の言葉を口にする。
彼の親衛隊に何をされるかわからないι
いつもの事だ。
気をつけるきなんてないがな(笑)
そう思いながらも深々と頭を下げた。
それを見て満足したベルナップは、ニヤッと意地悪い笑みを浮かべた。
.
最初のコメントを投稿しよう!