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「そうだッ!良いこと、思いついちゃったー♪」
この人の“良いこと”というのは、悪い気しかしない。
絶対とんでもない事を云い出すんだ。
たぶん……
ソファーから立ち上がり、子供が悪戯を思いついたような無邪気な笑顔を浮かべながら、生徒会長のもとへ向かう。
その後ろ姿からも彼がご機嫌である事が伺える。
黙々と事務作業をしていた男は、ベルナップに声をかけられ、視線を目の前の書類からベルナップにうつす。
「どうした、ハイラム。何か用か?」
低い色気のある声。 いつも聞くたびにゾクゾクする。
‥…って俺は、変態か。
腰にくるんだよなー
ピンクに染めた髪を二つ結びにして、眼鏡をかけている美形の男―――。
彼の名前は、ハイラム・ベルナップ。
ルーツィア学院高校2年、17歳。 生徒会副会長。
彼と親しい間柄の人間は、“ハイラム”と呼ぶ。
パシリに使われた哀れな少年―ナイマン。
彼の名前は、ナイマン・エアリー。
ルーツィア学院高校に入学したばかりの1年生、16歳。
彼は後輩だから、ハイラムの事を“ベルナップ”と呼ぶ。
彼は何故か入学してからずっと、ココのパシリとして使われている。
本人も何かしでかしたか?と…悩むほどだ。
その理由は…実に簡単な事であるが。 ナイマンは分からない。
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