487人が本棚に入れています
本棚に追加
「あれ?銃の手入れ中?」
床に広げた布の上に几帳面に並べられた部品を素早く、しかし丁寧にケアをして組み立てていく
カシャン
最後の部品を取り付けて初めて、ヨハンが目の前に座ってクロの手元を見ている事に気付いた
『そんなに珍しい?』
「ん~、今まで見た誰よりも早いし丁寧だから見とれてた。俺はあんまり使わないから銃の手入れって苦手。クロはよくするの?」
さっき初めてやりましたけど何か?
荷物をあさっていたら、例の黒いケースの中からヘンテコな器具が出てきた
何に使う物かは直ぐに分かった
戸惑いつつも確かめる様に知識にある通りに布をしき、銃を決まった手順で分解する
迷いの無い手の動きに驚きながらも一連の動作を終えたのだ
『‥それより、ヨハンって刃物しか使わないの?』
答えようも無いので不自然にでも話を切り替える
正直に話したところで解決策などないと知っているから
「そうだね、銃ってつまらないでしょ?直ぐ死んじゃうし直接、死に触れられないから勿体無い」
『そういうもの?』
「俺はね」
.
最初のコメントを投稿しよう!