☆穏やかに密やかに☆

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ヨハンの意外な一面を見てしまった いつものヨハンの雰囲気とは全く別の、こんな生死が近くなる仕事をするからこそ時たま宿る歪み そんなものとは無縁そうに見えたヨハンにも歪みが有ることに驚いた 「そだっ、なあなあクロ!食堂からチェス持って来たから一緒にやろう!!」 『え、俺やり方知らない』 「俺が教え‥‥」 ――――――――‥ 同刻、桂吾周辺 クロが不在の逢魔屋雑居ビル社長宅、桂吾の部屋には煙草の吸い殻の山が2つ 自宅に置いてある全ての灰皿が吸い殻で埋められていた ピリリリ‥‥ピリリ ガチャ 「あ‥‥なんや、吉彦か」 「(ぎぁぁぁその名前で呼ばないでぇぇ!!)」 凄まじい叫び声に受話器を耳から話して眉を寄せる桂吾 「‥っさいな、あ~何だったかジュン?ジェス?」 「(違うわよ!ジェシカ!!!私は、生まれ変わって乙女にチェンジしたの!何で毎度毎度、同じこと言わないと分かんないのよ!きぃ〰〰〰〰!!!!)」 ヒステリックな、かな切り声を上げるジェシカにウンザリした様に桂吾は適当に宥めて話を促す 「で、首尾はどうや吉‥‥ジェシカ?お前に任せたんや、其なりのモノに出来んやろな?」 「(まったく、桂吾の頼みだから引き受けたけたんだからね?そうじゃなかったら、こんなお子ちゃまのお守りなんてお断り!)」 「そいつらがお子ちゃまなら、クロはどうなるんや?」 「(いやん、クロちゃんは別格よ!考えただけでも沸るわ!!)」 .
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