☆穏やかに密やかに☆

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ドシャ‥‥ 「あらら、お疲れ様。45点ってとこね」 最後の一人を満身創痍で倒した彩斗がジェシカのもとにつく前に倒れて動けなくなる 「‥はぁ‥はぁ‥」 ジェシカの評価にいつもの無表情を崩さず、荒い息づかいを繰り返す 身体中傷だらけでも尚、その瞳には確固たる信念が宿り僅かに揺らぐ事さえない 彩斗の執念 「(クロが帰って来るまでに使えるモノにしとけよ)」 「あ~、時間がもっとあったら戦地にでもブチ込むんだけど仕方ないわね。取り敢えず、出来るだけ頑張るわよ」 「(使えんかったら契約も無しやて言うといてや、一度だけのチャンスやてな)」 ブチリと切れた携帯をポケットにしまい、辺りを見渡す 開始10分しかもたなかった太一は端の方に倒れ意識は無い 恐らく、脳震盪だろうから気にする必要はないだろう 後は、凶器を持たせて襲わせた男達も皆死人は無し 彩斗には殺しても構わないと言っておいたが、武器を持った相手にそこまで力が及ばなかった様だ 気を失わせるのが精一杯だったと言うことだろう 「甘さは無いわね?」 「‥‥情けを掛けられる程強くねぇよ」 「強くても情けを掛ければ其が弱さになるわ、クロちゃんは其をもカバー出来る位に強いから良いけど。普通は自殺行為よ憶えておきなさい」 「‥‥‥パンツ見えてるぞ」 「いやん、私の純情はクロちゃんのものなんだから狙ったら駄目よ?」 「クロは渡さない」 「今の彩ちゃんじゃ到底無理よ、身の程を知りなさい」 譲れない 狂おしい程、クロを求める クロの心に触れたい クロの側にいる資格が欲しい‥‥ .
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