☆小さな揺らぎ☆

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結局、ヨハンに教えてもらいながらチェスで遊んで自分の交代の時間まで過ごした 勝敗は、2対3でヨハンの勝ち 初めてにしては凄いと誉められた 「行ってらっしゃ~、反田に後ろ取られないようにね」 『ん~、了解』 最悪な事に今日は反田とペアで見張り番 ローテーションなので仕方ないが如何せん相手が反田 油断は禁物‥‥ 確りと装備を整えて違う意味での戦いに部屋を出た ― 綺麗な青空に冷たい風を身に受け、小さな双眼鏡で遠く迄警戒する 勿論、近くにいる反田に対してもバリバリ警戒している 事実さっきから、ちらちらと此方を伺うウザったい反田の視線を無視で拒絶の意を表す 「‥‥‥」 『‥‥‥‥』 そんな事を繰り返しているうちに漸く次の交代の時間になり ほっと気持ちの緩みが出た時だった 『!!』 不意に強い風が吹き抜け、無意識に目を瞑った一瞬を見逃さなかった反田に階段下の死角に連れ込まれる ダンッ 『‥っ‥』 押し付けられた鉄の壁に後頭部を強かに打った頭が痛い .
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