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窓の無い三畳程の船室でいつも通りの時間に目をさます
固定されたシングベットや小さな棚に机
こんな商船ではかなり厚待遇の筈だ
事実、他十数人いる護衛達は幾つかある狭い四人部屋に割り振られ
詰め込まれている事を考えればひいきされている事は明白だった
あの社長の計らいか?
「‥ん‥」
隣からの声に目を移すと
確りと俺にしがみ付くソイツは、すやすやと気持ち良さそうに寝ていた
染めた緑の髪に淡い茶色の瞳は今は閉じられていて、180はある大柄な身長はくるんと丸まりベットから落ちないように小さくなっている
『お~い朝飯に遅れるぞ、起きろ。そして離せ』
「‥‥‥」
『ヨハン』
「‥‥‥」
ゲシッ
ドカ
「う~‥、いたい‥」
抱き着いていた男、ヨハンをベットから蹴落とし目を醒まさせる
酷いように見えるが、このくらいしなければこの男は起きないのだから仕方がない
『毎回毎回、学習しないヨハンが悪い』
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