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「クロ~ちゅ~‥‥」
しかもこの男、起き明けには必ず寝惚けてキスを迫って来る
油断するとそれ以上もしようとするので、迫るヨハンの顔を押し返しベットから下りると食堂に向う
『置いてくよ』
「‥あう~」
―
カタ
皿に乗せられたスクランブルエッグに二つ折りのハム、マッシュポテトに簡単なサラダ
商船の食堂ということもあってそこまで期待はしていなかったが
何気にちゃんとした朝食が出ることに最初は驚いたが味もまあまあだし気に入っている
漸く目が覚めたヨハンと並んで黙々と食べるご飯はある意味辛い
原因は、周りからの熱い視線
悲しいかな、俺とヨハンの周りはいつもこんな感じ
俺達以外の護衛は皆、ゴリマッチョ‥‥‥寧ろゴリラ?
武力で食ってますって顔に書いてあるような人達で
出航から2週間とたたず皆さん欲求不満に陥りその矛先が俺とヨハンに‥‥
「おう、二人とも今日も一緒か。良く寝られたか?」
出た‥反田(はんだ)
この一見、気の良い兄貴風の男は他の護衛達のリーダーで
性的な視線を向ける奴等の中でもずば抜けて変態指数が高い人物だったりする
「二人とも船の護衛は初めてなんだから、分からない事があったら何時でも俺の所に来てくれて構わないからな」
行ったら最後‥
『見張りの時間なので、お先失礼します反田さん』
自然に触れられていた反田の手を素知らぬ顔で払い、食べ終えた食器をカウンターに返して持ち場へ足を向ける
後ろから舌打ちが聞こえたがいつもの事なので気にしたら負け
下心が見え見えだゴリラ反田
「反田マジウザイ」
食堂を後にして朝のグダグダから覚醒したヨハンが不機嫌そうに愚痴を溢した
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