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いつものポイントで、ただひたすらに何もない海を見張る
髪を揺らす冬の冷たい潮風も海を切って進む波の音も今はクロの日常だ
聞いた話によれば、このような商船は積み荷目当ての海賊に襲撃をうけることが多々あるそうで
其に備えて船の至るところに銃火器が付いているが
特に大事な積み荷の場合は、今回みたいに護衛もプラスするのだとか
「‥‥ぐす‥」
『またか‥』
「クロ~、家に帰りたいよぉ‥」
ヨハンは会ったときからずっとこの調子でホームシックと言う名の病気を患っている
だらしなく手すりに寄りかかり、子供のように床に座り仕事を放棄するヨハンの横で呆れるクロ
他の人の前ではまともなのに、俺の前でだけ変に駄々っ子になるんだよなコイツ‥
『どうでも良いけど、ちゃんと仕事してよ』
「うわ~ん」
駄目だこりゃ‥
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