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頭を擦りながらボンヤリとクロが走り去った廊下を見て未だに物思いにふけるイオン
実家のどっかで見たのか?
じゃあ、此方サイドの?
いや、それ以前に血筋は全て管理されている筈
僕が知らなくても兄が何も言わない訳が無い
でも、僕と渡り合えるくらいの実力を持ってる[人間]なんてそういな‥‥‥あ‥‥クロがいない
逃げられた
「ふむ‥‥‥兎狩りでもしようかな~★」
壁に刺さるナイフを回収して、器用にくるくると回し遊び鞘に納める
「‥ん~‥気になるなぁ‥」
くす‥
クロの足音も聞こえなくなった静まり返る船内をゆっくりとした足取りで楽しむ
自分が作り出した赤い世界が好き
生きるものが存在しない空間が僕の生を教えてくれる
お前はいる、生きている
そして
[人形]じゃないと‥‥‥
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