☆白、黒、まだら(２)☆

☆お帰りは此方です☆

『お前‥家族は好きか？実家に帰ったりしてるのか？』

「ん？‥‥ん～、嫌いではないけどここ数年は実家には帰ってないかな、どっちかと言うと疎遠気味。って何の話し？」

がっ

「ふぇ！？」

イオンの胸ぐらを引っ張り不意打ちのキスをする

勿論、本気ではなく触れるだけの子供っぽいもの

『なら、この機会に帰って墓参りでもして来い！』

ドォォン

初めてクロからキスをしてもらった驚きとコンテナ船、全体を震わす大きな爆発音に流石のイオンも僅かだが動揺を示す

‥‥‥どちらかと言うとクロからのキスに動揺の８０％を示しているようだ

案外純情？？

しかし、そんなどうでも良いことを考えている時間は無いので素早く手摺に寄り掛かっていた体を横にずらし
体勢を崩したイオンを手摺の向こう側
つまり、夜の海に突き落とす

刺された傷を気にせず動いた為、夥しい量の血が床に落ちたが構わず
手摺から遥か下の真っ黒い海にいるだろう連中に叫ぶ

『この船は沈む！とっととその馬鹿を連れて消え失せろぉぉぉぉ！』

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